go for growth!!!

プロダクトマネジメント、MAMツール、グロース、そして最近はGenerative AI関連のお役立ち情報をお届け。プロダクトのグロースに活用できる本やツール、ChatGPTの使い方等の紹介。

「AIと人類の未来」ユヴァル・ノア・ハラリ講演のまとめ

プロダクトマネージャーやテックリードのみなさんのみならず、いま世の中全体で、ChatGPT等の生成系AIにどっぷり浸かっている人は多数いるかと思います。

ChatGPTなどの生成系AIが勃興する中、あまりもの優秀さに、「人間の役割って今後どうなっていくのか?」という考えが頭をよぎる事が何度もあります 苦笑。

「サピエンス全史」「ホモ・デウス」などのベストセラーで知られるユヴァル・ノア・ハラリ氏の動画をみつけました。ChatGPTが今ほど盛り上がるちょっと前のものですが、非常に思考を刺激される興味深い内容でしたので、紹介したいと思います。

この動画は、2022年に開催されたTEDトークでのユヴァル・ノア・ハラリ氏の講演を収録したものです。TEDトークは、テクノロジー、エンターテイメント、デザインの領域における革新的なアイデアを広めるための国際的なカンファレンスで、世界中から専門家や思想家が集まり、自身の知識や視点を共有します。

www.youtube.com

ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、イスラエルの歴史学者で、特に人類の歴史と未来についての洞察で知られています。彼の著書には、日本を含む世界でベストセラーとなった「サピエンス全史」や「ホモ・デウス」などがあり、これらの書籍では人類の進化と未来の可能性について深く掘り下げています。この講演では、AIと人間の未来についての彼の見解を語っています。


AIとは何か?人類にとってのその意味

AIとは、一般的には人間の知能を模倣または超越するように設計されたコンピュータシステムやソフトウェアを指します。しかし、ハラリ氏はAIを「エイリアン」、つまり異質な存在と表現します。これは、AIが人間が生み出したものであるという「人工」の概念を超え、自己学習や自己適応の能力を持つことから来ています。つまり、AIは私たちが完全に理解や制御できるものではなく、その行動や能力は私たちの予想を超える可能性があるということです。

この視点は、AIの可能性とリスクを考える上で重要です。AIが自己学習や自己適応の能力を持つということは、それが新たな知識や技能を獲得し、私たちが予想しない行動をとる可能性があるということです。これは、AIが人間社会に大きな影響を与える可能性を示していますが、同時に、その影響が必ずしも私たちが望むものであるとは限らないというリスクも示しています。


AIの規制とその必要性

AIの可能性とリスクを考えると、その規制が必要であることは明らかです。しかし、その方法については難しい問題があります。現在、高度なAIツールは大手企業や政府が主導して開発されており、個々のハッカーや小規模な組織が開発するものではありません。これは、AIの開発には大量のコンピューティングパワーと資金が必要であるためです。

ハラリ氏は、AIが人間と対話しているときに、それがAIであることを明らかにする必要があると主張しています。これは、人間がAIとの対話を通じてどのように影響を受けるか、またAIがどのように人間の行動を変えるかを理解するための重要なステップです。また、これはオープンな社会を保護するために不可欠であり、AIが私たちの生活のあらゆる側面に浸透するにつれて、その重要性は増していくでしょう。

しかし、AIの規制は困難な課題を伴います。その一つは、AIの開発と使用に関する国際的な規範や法律がまだ十分に整備されていないことです。これは、AIの技術が急速に進化し、その影響が広範で深刻であるため、規制が追いついていないという問題を示しています。また、AIの規制は、技術の進歩と社会の利益のバランスをとる必要があり、これは簡単な問題ではありません。


AIとデータプライバシー

AIとデータプライバシーの問題は、近年ますます重要になっています。AIは大量のデータを必要とし、そのデータは個々の人々から収集されます。これは、個人のプライバシーを侵害する可能性があるという問題を引き起こします。

ハラリ氏は、データプライバシーの問題を「データ所有権」の問題と捉えています。つまり、私たちのデータは私たち自身のものであり、それをどのように使用するかは私たち自身が決定するべきだという考え方です。しかし、現在の多くのビジネスモデルでは、私たちのデータは企業や政府によって収集、分析、利用されています。これは、私たちのデータ所有権を侵害する可能性があります。


AIと未来の仕事

AIの進歩は、労働市場にも大きな影響を与えています。AIは多くの仕事を自動化する能力を持っており、これは一部の職種が消滅する可能性を示しています。しかし、ハラリ氏は、AIが仕事を奪うだけでなく、新たな仕事の機会をもたらす可能性もあると指摘しています。例えば、AIの開発や管理、またはAIと人間のインタラクションを担当する新たな職種が生まれる可能性があります。

しかし、これらの新たな仕事は、高度なスキルや教育を必要とする可能性があります。これは、AIの進歩が社会の格差を広げる可能性を示しています。高度な教育を受ける機会がある人々は、新たな仕事の機会を享受できますが、そうでない人々は、自動化によって仕事を奪われる可能性があります。


AIと人間の意識

AIの進歩は、人間の意識や自己認識についての理解を深める機会を提供しています。AIは人間の行動を模倣し、理解しようとするため、それは私たち自身を鏡に映すような存在とも言えます。

ハラリ氏は、AIが人間の意識や感情を理解することはできないと主張しています。しかし、それは私たちの行動を予測し、それに基づいて行動する能力を持っています。これは、私たちが自分自身をどのように理解し、他人をどのように理解するかについて、新たな視点を提供しています。


AIと人間の未来

観衆からの質問の一つは、AIが人間の未来にどのような影響を与えるかというものでした。ハラリ氏は、AIが人間の生活を根本的に変える可能性があると述べています。それは、私たちが仕事をする方法、コミュニケーションを取る方法、さらには私たちが自分自身を理解する方法に影響を与える可能性があります。

AIが人間の未来に与える影響を理解するためには、AIがどのように機能するか、そしてそれがどのように進化しているかを理解することが重要です。AIは、大量のデータを分析し、パターンを見つけ出し、予測を行う能力を持っています。これは、AIが私たちの行動を予測し、それに基づいて行動する能力を持っていることを意味します。

しかし、AIが人間の未来を形成するためには、私たち自身がその進歩をどのように取り扱うかが重要です。AIの技術が急速に進化している一方で、その規制や管理は追いついていないという問題があります。これは、AIの可能性を最大限に活用しつつ、そのリスクを最小限に抑えるための適切なフレームワークが必要であることを示しています。


AIと教育

観衆からの別の質問は、AIが教育にどのような影響を与えるかというものでした。ハラリ氏は、AIが教育の領域に大きな変革をもたらす可能性があると述べています。AIは個々の学生の学習スタイルや進行度を理解し、それに基づいてパーソナライズされた教育を提供する能力を持っています。これは、教育が一人ひとりの学生に合わせてカスタマイズされる未来を示しています。

しかし、AIが教育に与える影響は、それだけではありません。AIの進歩は、私たちが何を学ぶべきか、そしてどのように学ぶべきかについての考え方をも変える可能性があります。例えば、AIが多くの仕事を自動化すると、新たなスキルや知識が求められる可能性があります。これは、教育の目的や内容を再考する必要があることを示しています。


AIと個人の自由

観衆からのもう一つの質問は、AIが個人の自由にどのような影響を与えるかというものでした。ハラリ氏は、AIが個人の自由を脅かす可能性があると指摘しています。AIは、私たちの行動を予測し、それに基づいて行動する能力を持っています。これは、AIが私たちの選択を制御し、それに影響を与える可能性があることを示しています。

しかし、ハラリ氏は、AIが個人の自由を奪うのではなく、それを拡大する可能性もあると指摘しています。AIは、私たちが自分自身をより深く理解する機会を提供し、それによって私たちの選択をより意識的なものにすることができます。


AIと人間の価値

観衆からの最後の質問は、AIが人間の価値にどのような影響を与えるかというものでした。ハラリ氏は、AIが人間の価値を再定義する可能性があると述べています。AIは、私たちが自分自身をどのように理解し、価値をどのように定義するかに影響を与える可能性があります。

AIの進歩は、人間の価値が何であるか、そしてそれがどのように測定されるべきかについての新たな視点を提供しています。これは、私たちが自分自身と他人を評価する方法を変える可能性があります。また、AIが人間の価値を再定義することは、社会全体の価値観や構造を変える可能性もあります。


アウトロ

AIは、私たちの生活、社会、そして自己認識に深い影響を与えています。その可能性とリスクを理解し、適切に対応することは、21世紀の最も重要な課題の一つであると言えるでしょう。

ユヴァル・ノア・ハラリ氏の視点を通じて、AIとその未来について深く考える機会を提供できたら幸いです。