「Product Analytics(プロダクト分析)」ソフトウェアに分類されるAmplitude。Product Analytics自体はまだ日本でそれほど普及していませんが、紹介したいと思います。
まず、Web Analyticsとは異なる種類のツールです。大まかに言って、製品やアプリケーションのユーザー行動や利用状況を分析することに重点を置いており、プロダクトの改善やユーザーエンゲージメント向上、リテンション率の最適化などを目的としています。
Product AnalyticsとWeb Analyticsの違いは以下の通りです。
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分析対象: Product Analyticsは、ウェブサイトやアプリケーション全体のユーザー行動を分析します。一方、Web Analyticsは、主にウェブサイトのトラフィックやページビュー、訪問者数などの指標に焦点を当てています。
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目的: Product Analyticsは、プロダクトの使いやすさや機能改善、ユーザーエンゲージメントの向上、リテンション率の最適化などを目的としています。Web Analyticsは、サイトの訪問者数や滞在時間、ページビューなどの指標を最適化することで、サイトのパフォーマンスや集客力の向上を目指しています。
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データの深さ: Product Analyticsでは、ユーザーのセグメントやコホート、イベントごとの詳細な分析が可能です。Web Analyticsでは、ページごとのトラフィックや滞在時間、リファラーなどのデータを扱っていますが、ユーザーの詳細な行動分析まで行うことは一般的ではありません。
Amplitudeは、Product Analyticsソフトウェアとして、ユーザー行動の深い分析やプロダクト改善に特化しているため、ビジネスの成長を目指す企業や組織に適したツールとなっています。
というのも、Amplitudeの作られた経緯は、GAFAのような企業群が社内用につくっている同じような機能をもったツール群の存在があり、それらを一部の企業だけでなく、誰にでも使えるようにしようと言うことで立ち上がったサービスです。
データ分析を活用して自社サービスのグロースを目指すユーザーに、Amplitudeは最適なプロダクトです。このレビューでは、Amplitudeの機能、解決する課題、クチコミ、企業概要、ターゲット層、良い点・課題点、そして他の競合製品との比較について詳しく解説していきます。
Product-Led Growthを実現したい企業にとっては要チェック❗です。
Amplitudeの特徴
Amplitudeは、ウェブサイトやアプリケーションのユーザー行動を分析し、ビジネスの成長を加速させるためのプラットフォームです。具体的には、以下のような機能が提供されています。
- リアルタイム分析: ユーザーの行動データをリアルタイムで収集・分析し、すぐに対策を立てることが可能です。
- セグメント分析: 顧客をさまざまな属性ごとにセグメント化し、ターゲットに合わせた最適な施策を実施できます。
- ファネル分析: 購入や登録などのコンバージョンプロセスをファネルとして可視化し、ボトルネックを特定できます。
- コホート分析: 顧客の行動や属性を基にしたコホート分析を行い、リテンションやLTVの向上を目指します。
- A/Bテスト: 効果測定を容易に行えるA/Bテスト機能を備え、最適なデザインやコンテンツを見つけ出します。
Amplitudeが解決する課題
Amplitudeが解決する典型的なサイト運営上の課題は以下の通りです。
- ユーザー離れの解析: なぜユーザーが離れてしまうのか原因を特定し、リテンションを向上させる施策を実施できます。
- コンバージョンの最適化: ユーザーが目標に到達するまでのプロセスを最適化し、コンバージョン率を向上させます。
- ターゲットユーザーの特定: 顧客属性をもとにターゲットユーザーを明確化し、効果的なマーケティングを実施できます。
Amplitudeのユーザーからの実際、メリットやデメリットとしてあがるのは以下です。
- メリット: ユーザー行動の把握が容易になり、施策の効果が明確に測定できるようになったとの声が多数あります。また、直感的な操作性が高く評価されています。
- デメリット: カスタムイベントの設定がやや煩雑であり、導入初期に学習コストがかかることが指摘されています。また、高機能ゆえの価格設定が高めであることが懸念されています。
企業概要
Amplitudeは2012年に創業された企業で、現在のCEOはSpenser Skates氏です。同社はデータ分析に特化し、ビジネスの成長を促進するプロダクトを提供しています。Amplitudeは多くの企業に導入されており、特にスタートアップや中堅企業に人気があります。
元々Spenser SkatesがAmplitudeを作ろうと思った背景に、データ駆動型の意思決定をサポートするツールが不足していると感じたことが大きな要因となっています。彼は、自身の経験や他の企業の事例を見て、データを活用して意思決定を行うことがビジネスの成功に繋がると確信していました。
しかしながら、当時の市場には、データ分析やプロダクト分析に焦点を当てたツールが十分に提供されておらず、企業は手間がかかるプロセスや複雑なツールを使わざるを得ない状況でした。これらの課題を解決するために、Spenser Skatesは、データ駆動型の意思決定を支援するツールとしてAmplitudeを開発することを決意しました。
Amplitudeは、リアルタイムでユーザー行動を分析し、施策の効果を正確に測定できるようにすることで、企業が迅速かつ効果的な意思決定を行えるように設計されています。このような背景から、Spenser SkatesはAmplitudeを開発し、プロダクト分析の分野で革新を起こすことを目指しました。
Amplitudeのターゲット層
Amplitudeのターゲット層は、自社サービスのグロースをデータ分析を通じて実現したい企業や組織です。特に、マーケティングやプロダクト開発の担当者に向けた機能が充実しています。
Amplitudeの良い点
- 分析機能の充実: Amplitudeはリアルタイム分析やセグメント分析、ファネル分析など、多岐にわたる分析機能を提供しています。
- 操作性: インターフェースが直感的で、データの視覚化が容易に行えます。
- 効果測定: A/Bテスト機能を使って、施策の効果を正確に測定できます。
Amplitudeの課題・不満点
- 学習コスト: カスタムイベントの設定など、導入初期にやや学習コストがかかることがあります。
- 価格: 高機能ゆえの価格設定が高めであることが指摘されています。
他プロダクトとの比較
Amplitudeと競合するプロダクトとして、以下の3つが挙げられます。
- Google Analytics: 無料で利用できるデータ分析ツールで、Amplitudeに比べ機能はやや限定的ですが、導入の敷居が低いため初心者にも適しています。しかし、リアルタイム分析やセグメント分析などの高度な機能はAmplitudeの方が優れています。
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Mixpanel: Amplitudeと同様に、リアルタイム分析やセグメント分析、ファネル分析などの機能を提供しています。Mixpanelはイベントベースの分析に特化しており、Amplitudeと比較してイベント設定が容易ですが、一部の高度な機能はAmplitudeの方が優れています。
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Heap: 自動で全てのユーザー行動をトラッキングし、後から分析を行うことができます。Heapは導入の手間が少なく、特に非技術者にも扱いやすいとされています。ただし、Amplitudeに比べると分析機能の充実度はやや劣ります。
Amplitudeは、これらの競合製品と比較して、高度な分析機能を提供し、データを活用したビジネスの成長を目指すユーザーにとって魅力的なプロダクトです。ただし、価格設定や導入初期の学習コストが高めであることが課題となっています。それでも、自社サービスのグロースをデータ分析を通じて実現したい企業や組織には、Amplitudeがおすすめです。